園長だより 令和5年7月号

自分らしく生きる! ~自分の花を咲かせ、自分の実をつける~

  本格的な夏を迎え、気力も体力も消耗しそうな毎日ですが、何事にも、懸命に取り組むパワフルな子どもたちの姿に、私たち職員が励まされ、元気をもらっている毎日です。子どもたちの表情や行動を見ていると、どこからあのエネルギーが生まれるのだろうと不思議に思うことがあります。どの子も、「その子らしさ」を発揮しながらパワフルに走り回っています。

 私たち一人一人には、それぞれに個性があり、当然のことですが誰一人同じ人間は存在しません。外見や性格が似ていることはあっても、全く同じ人は存在しません。様々な子どもさんがいますが、みんな等しく素敵な存在です。それぞれの違いを否定するのではなく、違うことを認め合い、受け入れていく、そんな社会が実現すればいいなと考えています。しかし、残念ながら、人と違うことを嫌ったり、否定的に見たりする風潮があることも事実であり、現実です。まず、私たち大人が、みんなが自分らしく生きていけるような社会づくりのための努力を続けていく必要があるように思います。

 相田みつを氏の作品に、下記のような詩があります。みんなが自分らしく生きるために、「自分の花を咲かせ,自分の実をつける」のです。しかし、ある時、ある場面では、疲れたり、心が折れそうになったりして、上手く花が咲かなかったり、理想通りの実をつけることができない場合もあります。それでも、みんな明日に期待しながら、自分らしく生きようと、それぞれが努力を続けていくのです。

  

 ただ、「個性的であること」と「わがままであること」は、区別して考える必要があります。個人差はありますが、1歳から1歳半頃になると、運動能力が発達するため、手当たり次第に環境に働きかけますが、この頃は、心理的な自我意識はあまり芽生えていないと言われています。2~3歳頃になると、心理的な自我意識が出現し始めます。自己主張が強くなり、自分の意志を押し通そうとします。いわゆる「反抗期」を迎えるのです。4歳頃になると、自己中心的な行動が少なくなり、他者に「合わせて」行動することが出来るようになってきます。さらに、5~6歳頃になると、他者を意識し、「ルールを守ること」の大切さが分かるようになると言われています。そんな経験を通して、子どもたちは、集団生活の中で、様々なことを学びながら、やがて小学校へと進んでいくのです。その中で、「個性」を発揮し、「自分らしさ」育んでいきます。私たち大人は、その成長をそっと見守り、サポートしていくことしか出来ません。一人一人の子どもたちの健やかな成長に期待しています。

園 長  中 村 洋 志