園長だより令和8年6月号【みんな誇り高き存在!】

みんな誇り高き存在!
~立場はいつかは消えるが人間性は残る~

 新緑が目に映える6月は、動植物にとっても人間とっても生きるエネルギーをくれる季節のような気がします。子どもたち一人一人は、それぞれ成長のスピードが違ったり、伸びる時期やタイミングが異なったりはしますが、園内外での様々な活動や体験等を通して日々確実に成長しています。どんな場面でも身体全体を使って表現し、エネルギッシュに過ごしている子どもたちの明るくて元気な表情は、私たち職員の心を豊かに癒やしてくれる素敵な存在です。


今の私の体型からは想像もつかないとは思いますが、私はスポーツが好きで、学生時代は野球・テニス・卓球等に熱中し、テニスや陸上の100メートル走では県大会でもそれなりの成績を残したこともあります。現在は、テレビ等での観戦が中心ですが、スポーツ選手の姿から大きな感動をもらうことも多々あります。最近は、大谷選手や山本選手・鈴木選手・村上選手・岡本選手らが活躍している大リーグはもちろん、サッカーやバスケット、卓球やスキー・スケート、体操等多くの競技で世界的な評価を受けているアスリートも多く、応援にも力が入ります。みんなが大谷選手のように活躍できる訳ではありませんが、スポーツは心を解放してくれます。もちろん、スポーツに限らず何か熱中できるものがあれば人生を豊かに彩ってくれます。


今でも思い出すエピソードがあります。以前大リーグのニューヨークヤンキースに鳴り物入りで入団した松井秀喜さんが、極度のスランプに陥った時、当時のトーリ監督が「君は、今確かに打撃は不振である。しかしは君はチームにとって必要な存在だ。なぜなら、今君は守備でチームに貢献している。君がレフトを守ることに意味があるんだ。」と言って励ましたとのことです。さらに彼は「先発投手も、中継ぎで一人だけアウトにする投手も、クローザーとして最後を締めくくる投手も、みんなチームの一員として欠かすことのできない『かけがえのない選手』であり、みんな同じ価値を持つ、誇り高き存在である。」と伝えたそうです。
このことは、スポーツの世界だけでなく、あらゆる組織に通じる共通の考え方ではないでしょうか。人間の価値・誇り・尊厳・存在感とは何でしょうか。どんな理由があるにせよ、一人たりとも否定されるべき人は存在しません。みんなかけがえのない命を持つ誇り高き誰とも同じではない唯一の存在だからです。だからこそ、人としての尊厳は守られるべきですし、他者の尊厳も傷つけることは許されないのだと思います。


私は、職員にもよく「立場はいつかは消える。しかし、その人の人間性はずっと残る。」という言葉を伝え続けています。私たちは、幼児教育に携わる者の一人として、常に「人間性を培う一番基礎の部分」担っているという自覚を持って子どもたちと向き合い取組を進めていきたいたいと考えているからです。子どもたちはそんな大人の姿を敏感に感じながら成長していきます。子どもは大人の小型版ではなく、人としての人格を持った存在なのです。職員にはこれまでも様々な機会を通して繰り返し伝えてきましたが、今私たちの目の前にいる子ども一人一人は、確実に次の時代を創り上げていく「みんな誇り高き存在」なのです。そう考えると、子どもたち一人一人が頼もしく、そして愛おしい存在に思えて仕方がありません。

園長 中村 洋志