園長だより令和7年3月号【子どもたちのこれからに期待!】

子どもたちのこれからに期待!
~子どもには素敵な才能が内在している~

いつに間にか本年度もあとわずか1か月を残すのみとなりました。保護者の方々にはこの一年間本当にお世話になりました。心から感謝申し上げます。特に卒園・転退園するお子さんにつきましては、進学する小学校や転園先の保育園・こども園・幼稚園等でこれまで培ってきた力を発揮してさらに飛躍してほしいと願っています。本園で進級するお子さんについては、本年度の締めくくりをしっかりして、新しい年度が今まで以上に充実したものになることを期待しています。


これまでも繰り返し伝えてきましたが、子どもたちは大きな可能性を秘めた素敵な存在です。目に前の子どもたちを見ていてその可能性が大きく開花することを願っています。著名な画家ゴッホは、わずか37歳という若さで亡くなりましたが数々の名言も残しています。その中の印象的な名言の一つに「美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけるんだ。」という言葉があります。私は、現役時代は、勝手に教育に生かせる言葉として捉え、自らに「素敵な才能を探すな。子どもの中にある素敵な才能を見つけ伸ばすんだ。」と解釈して子どもたちと向き合い、取組を進めてきました。「目の前にいるすべての子どもにそれぞれ素敵な才能が内在している。それを見出し伸ばしていくのが教育の力だ。」と考えてきたからです。この考え方の根底には、私自身の「すべて子どもが教育の対象である」という強い信念・思いがあります。


どんな子どもであっても、誰もその子の才能の上限を決めることはできません。例えば、ヘレンケラーの生き方を見ればそれだけで勇気が湧いてきます。彼女も「一つの扉が閉まると、別の扉が開きます。」「目に見えるものは移ろいやすいけれど、目に見えないものは永遠に変わりません。」「はじめはとても難しいことも、続けていけば簡単になります。」「世界は困難に満ちています。同時に、克服することに満ちています。」等、自らの実際の体験を通した多くの名言を残しています。この上限を決めることができないという考えは、とても重要な視点です。私は一人一人の内側にある可能性を信じています。


私たち大人の役割は、子どもたち一人一人に内在するそれぞれの素敵な才能に気づき、それを伸ばしていくための支援を継続していくことだと考えています。もちろん一人一人の才能は画一的ではなく、その才能には違いがあり、濃淡があります。だからこそ、子どもは面白く興味深い存在なのです。考えて見れば、多くの人が気にしているテストの点数などはその人の能力のほんの一部に過ぎないのです。長い目で見て考えればこのことは理解できることですが、子育ての最中にはなかなかその余裕はありません。能力を発揮する場は保育園・こども園・幼稚園・小中学校・高等学校・大学・大学院という枠の中だけではなく、社会に出てから本物の能力が発揮されるのだと思います。個人的には、これまでに多くの方々との素敵な出会に恵まれてきましたので、このことは、私自身の拙い経験からも実感しています。これから先の予測もつかない時代を生きていく子どもたちが、自らに内在する力を発揮して、誰とも同じでない豊かな人生を切り拓いていってくれることに大いに期待しています。                  園長 中村 洋志